(ゲームの世界の)F1マシンのセッティング part 1(トランスミッション編)その1

F1ゲーム

日々、最前線で働いてくださっている全ての医療従事者、その関連会社の皆様に、敬意と感謝を申し上げます。(2020.04.25追記)

ここは難しいセクションなので2回に分けて説明したい。
今回のpart 1では概要の理解の助けになるように、難しくなりすぎないように話を進めたい。

トランスミッション(ギアレシオ)

ギアレシオ、ギア比を調整することで加速重視や最高速重視にマシンを味付けすることができる。また主たるコーナーごとに適切なギア比を設定しておくことでコーナー速度が決まりアクセルワークも楽に、ブレーキにも優しい走りができる。かつてはF1でもギアレシオを変更することができた。その後規制されサーキットごとに指定されたものを使う事になり、そして現在は全チーム同じ設定でシーズンを戦うことになっている。もちろんゲーム内でも設定することはできない。

トランスミッション(デフ)

デフの設定のお話しをする前に、車の動きについて少し確認しておこう。子供の頃ミニカーで遊んだことがあるでしょう。ミニカーの構造を思い出して欲しい。ボディーは亜鉛合金製、タイヤはABSで回転はするけれど前輪を曲げることはできない。そのため手で押して走らせる時に左右のどちらかに車を曲げるには少し力を入れ、グイっと無理やり曲げていた。では後輪はどうだろう。通常後輪が曲がることはなく常にまっすぐだ。(正確には少しハの字に角度がつけられている)そしてミニカーでは後輪の左右のタイヤは一本の針金で繋がれていた。後輪はつねに左右のタイヤが同じように回転していたわけだ。ミニカーを曲げにくかったのは前輪が舵の役割を持っていないからだけではない。後輪も左右同じようにしか動かないこともその一因だったのである。

もう少し具体的に説明しよう。競技場のトラックを思い浮かべて欲しい。一番イン側の1レーンはコーナーの角度はきつい。一方外側の9レーンは角度は緩いがコーナーに入ってから抜けるまでの距離は1レーンに比べて相当に長い。もし1レーンから9レーン分の幅の車が存在するとすれば、車がコーナーを抜けるのに左のタイヤにくらべて右のタイヤはかなりの距離を進む必要があり、その分余計に回転しなくてはいけない。(左回りの場合、世界中の競技場は左回りだ)ミニカーのように左右のタイヤが一本の軸上に取り付けられているなら左右のタイヤは同じように回転するため、コーナーリング時に回転の差をなくすことができない。ではどうなるのか。答えは簡単。ミニカーと同じで力づくで曲がっていくのである。つまり右のタイヤはズリズリとひきづられながら進んでいくことになる。この時のモーメントはどうなっているのか。ズリズリスリップしているわけで、動力は地面に伝わらず、エンジンから生み出される回転は空費されるばかりだ。そしてタイヤもズリズリと削られる。摩耗と温度上昇が進み、グリップ機能は損なわれていく。

そこで後輪の左右の回転数に違いをつけて、コーナーリング時にスムーズに回転するように左右のタイヤをつなぐ軸の間に挟み込まれているのがデフ(ディファレンシャルギア)だ。ラジコンカーを組み立てればデフの構造がよくわかるので時間とお金と興味があれば一度挑戦して見るのも良いだろう。デフは調整が可能で、どの程度左右のタイヤをシンクロさせるのかを調整することができる。「硬さ」と考えるとわかりやすい。余談になるがラジコンカーのデフ調整は後輪の片方を固定して、もう一方のタイヤの回転がどのくらいにスムーズに回転するかを基準に設定していく。(筆者はラジコン愛好家ではないので間違っているかもしれない)

デフの調整とは

「硬さ」とは何か。一番柔らかい状態を完全に左右のタイヤがバラバラに回転する状態としよう。これならどんなコーナーにも対応できる。ただしこれは実現できない。なぜならエンジンからの動力を伝えてなくてはならないからだ。エンジンからの動力を左右のタイヤが受けるためには左右のタイヤはエンジンからのどうりょくを受ける軸につながっていなくてはならない。この部分がデフとも言える。エンジンからの動力を左右のタイヤに分配する働きとも言える。あまり動力を分配せず左右のタイヤができるだけ自由に動く(柔らかく)ように設定すればコーナー性能は上がり、タイヤの摩耗も抑えられるがエンジンからの動力の多くを捨ててしまっているためトラクション(地面を蹴る力)がかからず加速(前に進む力)が減少する。その逆でエンジンのパワーを思いっきり伝えよう(硬く)とするとトラクションは十分に得られるが、その分だけ曲がりにくいしタイヤも摩耗する。
デフの調整はこの「硬さ」である。曲がりやすいか進みやすいか。タイヤにどのくらい負荷をかけるか。設定の方法は難しいがひとつの指標として提案しておこう。コーナーの出口で素早く加速したいならデフは硬い方がいい。コーナーをスムーズに抜けたいなら柔らかい方がいい。コーナーが多いサーキットならどちらを選ぶべきか。答えはない。それはドライバーの好みによるからだ。コーナーにブレーキングを遅らせて突っ込んでいくタイプと調整舵を出来るだけ当てず、コーナーを抜けてからの加速重視でいくドライバーとで設定は異なる。マシンセッティングに正解はない。ドライバーの好みにいかに応えるかがセッティングなのだ。

どの設定項目にも言えることですが。マシンとサーキットとドライバーと。

初めに断っておくとデフ調整に結論を与えるのは難しい。設定で解消するべき要素がたくさんありすぎる。まずはマシン特性。マシン特性と言っても空力やエンジン特性、サスペンション、ブレーキなどデフで調整すべき要素に影響をあたえるものがマシンにはたくさんついている。これらは大抵互いに背反しているので一方が決まれば、別のどこかに歪みが多少なりとも生じる。次にサーキット。サーキットには20あまりのコーナーが設置されており、一つとして同じコーナーはない。高速コーナーに合わせれば低速コーナーが決まらないという状況が当然発生する。そして前段でも述べたドライバーの好みや得手不得手によっても調整幅が異なる。
このようにセッティング全般に言えることだがデフの調整にも正解はない。また設定を煮詰めるには「コーナー速度」「タイヤの摩耗」「トップスピードまでの時間」など詳細なデータも必要でゲームではそこまで追求するのが面白みになるとは個人的には思えない。

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