先日、およそ4ヶ月遅れでF1 2020シーズンが開幕し、シュピールベルクに久しぶりのエギゾースト・ノートが帰ってきた。いつもよりも混沌としたレースに、最後までハラハラの連続。これぞ待ち望んだF1である。
レースウィークは予想通りメルセデスが牽引する。メルセデスが1−2体制で決勝レースも支配した。そしてハラハラの連続で意外な結果を迎えるが、それはここではまた別の話ということで。
レース後もメルセデスが話題をさらっている。アルボンとのインシデントをつくりだしたハミルトンへのペナルティの軽重を巡って、いくつかの議論をよんだし、”We Race As One”とアメリカで起こったブルックスさん殺害を契機に広がった人種差別撤廃を支持するドライバーの中心もハミルトンだった。(この標語は「私たちはひとつになってレースする」と「私たちは一つの人種(差別や違いはない)」の二つの意味を持っている。)些か喧騒が尽きないが、トラックでパドックで様々な事件が起こるF1が、今年もようやく帰ってきたことを喜びたい。そしてドライバー、レース関係者には過酷なロードとなるかもしれないが、毎週末エギゾースト・ノートに酔いしれる幸せを感謝したい。
そんなレースの興奮が醒めやらない月曜の深夜24時、いいかえれば7日の深夜0時にゲームの世界でもF1が開幕した。実際には0時ちょうどにプレイできた人は少なかったようだ。筆者はFanatecからハンドルを購入した際に、一緒に1ユーロ(120円)で予約購入していた。Fanatecのサイトには7日にプレイ開始とアナウンスされていたが、翌朝の7時になってようやくダウンロードキーが送られてきた。すぐにプレイしたかったが、キーを目にしたのは職場に到着してからだった…。

今作は実に意欲作だ。キャリアモードはそのままに、新たに「マイチーム」というチーム運営を軸にしたゲームモードを搭載する。プレイヤーはドライバー兼チームオーナーだ。マシンの開発からドライバー契約、スポンサーの獲得、レース間のイベント計画などオーナーとしての仕事は多い。そしてサーキットでは一人のドライバーとしてレースを戦う。実に欲張りなモードだ。まだチームを立ち上げたばかりで全容を見るに至っていないが、いくつかのスクリーンショットを交えて紹介していこう。
前途多難なチーム運営は、キーボードエラーから始まった。
ゲーム内の話ではない。メカニカルな話だ。
筆者ご自慢の自作PCは、先日アセットコルサとF12020を迎えるべくRTX2070superに換装し万全を期していた。steamを立ち上げ、ダウンロードキーを入力する。あっという間にF1 2020のメインメニューが表示される。筆者に与えられたミッションは「マイチーム」を始動させることだ。ドライバーを選んで次へ進むと、いよいよチーム名を入力する。名前は決めていた。「Super Ossan Formula1」だ。さらっと通過するはずのこのステップが、この後筆者を2日間足踏みさせることになる。名前の入力ができない。キーボードがwindowsキー以外、一切反応しなくなった。IMEの設定を見直す。英語の言語パックをOSにインストールしたがダメだった。

なぜ入力できないのか原因はわからない。steamのフォーラムなどを検索し、同じ症状の投稿を見つけたが、原因や解決策を見つけ出せない。ツイッターのフォロワーさんたちからも色々とアドバイスをいただいた。テキストをコピペしてみたり、ソフトウェア・キーボードを試してみたりしたが、いずれの手段を用いても解決には至らなかった。結局OSの再インストールにまで及んだ復旧策も奏功せず、そうこうして走行できないまま2日が過ぎた。そして2日目の今日、なんとか先に進むことができた。何が起こったのかわからないし解決したわけでもない。普段なら、とことんまで追求するのだが、2日間お預け状態の筆者に振り返る余裕などなかった。なにせやっとたどり着いたのである。ここで足踏みしている暇はない。

まずはスポンサーを選ぶ。年間成績のノルマによって契約金がきまり、レースの結果に応じて報酬が決まる。各社が提示する条件は微妙に異なっており、なかなか迷わせてくれる。筆者は「シーズン中に2回トップ10入り」を課すスポンサーと契約した。エンジンサプライヤーは発売前の早くからリークされていたが、フェラーリ、メルセデス、ルノーの後塵をはいし、HONDAの評価が最も低い。だからHONDAを選ぶ。本当はメルセデスのファンだけど。だって悔しいじゃない。やっぱり日本人ですもの。
セカンドドライバーには日本人を選んだ。国産チームですから日本人を走らせないとね。
マシンカラーを考えるものの、70周年記念カラーに決定
マシンのカラーも数は少ないがカスタマイズできる。デザインを選んだら、カラーバリエーションを変更する。思うようなデザインがない。何か寂しいと思ったらスポンサーのロゴがないからだ。やはりスポンサーのロゴがマシンを格好よくするのに一役も二役もかっている。
マイチームから少し離れるが、今作は「表彰台パス」というポイント制度が採用されており、様々なミッションをクリアすることでポイントを得ることができる。そしてポイントでマシンカラーやグローブ、ウェアなどを購入する仕組みだ。前作ではマシンやウェアを直接課金して購入していたが、ミッションクリアでポイントを稼げるようになったのは嬉しい改善点だ。(まだ一度も試していないので間違っているかもしれない)初期状態では残念ながら筆者の琴線にふれるカラーバリエーションはなかった。
さぁ、そろそろマシンデザインを選ばなくては。コロナ禍でそれどころではない70周年記念のF1を、せめてゲームの中だけでもお祝いしたいという気持ちから70周年記念カラーに決定した。

いよいよチームを始動する。
チームを立ち上げるとインタビューから始まる。テレビ番組の取材を受けている設定のようだ。いくつかの質問に答えていく。マシンの初期性能に関わるようで、エアロ、エンジン、シャシー、耐久性の4つの開発項目にかかわるような質問を受ける。筆者は回答をエアロ系に固めていくことにした。エンジンがゲーム内最弱のHONDAなので、ダウンフォースをおぎなってせめて旋回性能の良いマシンに仕上げたい。
質問への回答を終えると番組の収録は終わり、見慣れない画面が現れた。

左側にカレンダーが表示され、右にはイベントが並ぶ。それぞれイベントにより得られるものが異なり、ドライバーやチームのポイントやマネーなどが得られる。また開発部門の士気に影響を与えるイベントもあり、結構頭を悩ませる。右上に見えるフリータイムのコマ数だけイベントを入れていくことができる。オートフィル機能もあるので最初はそれに頼るのもいいだろう。F1の世界をどの程度模したものかわからないが、気分を盛り上げてくれることに間違いはない。
ここまでプレイした感触は上々だ。作りもいい。カレンダーに従って新車発表会がおこなわれ、70周年記念カラーのSuper Ossan Formula1 SOF01が披露された。お披露目のイベントは今年のアルファ・タウリのようにたっぷりと魅せてくれるものではなく簡素なものだが、それっぽく仕上げられていてここも好印象。


いよいよレース。22戦のフル・シーズンを選択
いよいよオーストラリアへ向かう。ここからはいつものキャリアモードに近しい。もちろん、この後もいろいろな演出が待っているだろうが、まずはレースに臨む。筆者は22戦のフルシーズンを選択した。「マイチーム」にのめり込むと通常のキャリアとの両立は時間的に難しいかもしれない。ここを主戦に戦うのが良さそうだ。ここでひとつ残念だったのは、スペイン合同テストがシミュレートされていないことだ。テストDayがないのはファンとしては少し寂しいところだ。FPでリソースポイントを稼ぐコース習熟やタイヤマネイジメントなどが用意されているのだから、テストDayをゲームに落とし込むことはそれほど難しいとは思えないのだが…。
さぁ、それではオーストラリアで、Super Ossan Formula1に、ご声援をお願いいたします。
オーナー兼ドライバー N
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