アセットコルサ コンペティツィオーネの取説3(タイヤと気象と路面状態)

アセットコルサ コンペティツィオーネ

 アセットコルサコンペティツィオーネの説明書を探し回ること2ヶ月。断片的に見つけた有益な情報を紹介するシリーズ「アセットコルサ コンペティツィオーネの取説」の第3回である。今回は「タイヤ」と「設定」を中心に紹介してみる。

タイヤ・インジケーターの見方(温度と内圧)

色は表面温度、真ん中のブロックは内圧、内側の長方形はブレーキ

 ゲーム画面にはタイヤのインフォメーションが表示される。真ん中に「ドライ1」とあるのは、1セット目のドライ・タイヤを装着しているという意味である。「ウェット・タイヤ」の場合には数字は表示されない。「ウェット・タイヤ」には使用制限数が設定されていないためである。
 画面には3つのパーツからなる塊が4つあるが、言わずもがな、それらは前後左右のタイヤを表している。青色から水色へとグラデーションしているが、これは表面温度を示している。走り出さずにしばらく止まっていると、端から徐々に濃い青へと変わっていき、どんどんと冷えてくる様子がわかる。よく観察していると、変化していくのは「色」だけではないことに気づく。3つのパーツの真ん中部分が徐々に、少しずつ凹んでいくのがわかる。真ん中の部分の長さはタイヤの適性な内圧を示しており、左右のパーツと並んで、高さが均一になっていると、タイヤが適性内圧であることを示す。温度が下がれば内圧も下がってくるから、走らずにじっと止まっていると色だけではなく中央部がどんどんと凹んでいくのである。走り出すと逆のことが起こる。タイヤの温度は上昇し、色は青から緑へと変化していき、それに応じて真ん中のパーツが大きくなっていき、やがて3つのパーツの高さが揃っていく。加えて内圧は数値化されている。走行中の数値を見て、適性値である27-28psiになるように逆算して初期内圧のセッティングを変更することにもセッティングにおける大切な要素だ。タイヤの温度と内圧は時間や天候、路面温度によって刻一刻と変化するので、適正値に常に保ち続けるようにドライビングする必要がある。

タイヤの損傷のシミュレーション

 「アセットコルサコンペティツィオーネ」のタイヤシミュレーションは本格的だ。ドライバーであるプレイヤーは、タイヤの温度に常に注意を払いながらレースしなくてはならない。タイヤが冷えると内圧が下がり、タイヤそのもの膨らみが足りなくなる。するとコーナーでGがかかるとタイヤが踏ん張りきれずに、ぐにゃっとひしゃげてしまい、適正なグリップを得られない。また潰れたタイヤが元に戻ろうとする力が車におかしな振動を与えてしまう。筆者はかつて友人のチェロキー(ジープ)に乗せてもらったことがあるのだが、タイヤの径が大きかったせいか、コーナーを回り終えるたびにタイヤから「うにっ」とお釣りが返ってくる違和感を感じていた。その逆に、筆者が当時所有していたBMWはランフラット・タイヤ(ノーパンク・タイヤ)でリムが極端に硬いタイヤだったので、そういった現象は一切発生しなかったのを覚えている。ただし乗り心地は硬くて…
 内圧の下がったタイヤは縁石に乗り上げる危険だ。ゲームをプレイしたことのある方なら、ピットから無線で縁石に乗らないようにと指示が出されたことがあるだろう。(内圧24psi以下)これは縁石に乗り上げると、その衝撃を受け止めきれずに余計な振動を発生させたり、ホイールへダメージを与えてしまい、最悪パンクすることもあり得るためだ。タイヤのダメージ・シミュレートは温度や内圧だけではない。当然、グラベルや芝生といったラン・オフ・エリアを走行すれば、タイヤは傷ついていく。

 タイヤのシミュレーションは難易度設定で変更可能である。温度変化やタイヤのセット数を限定せずにプレイすることも可能である。筆者としてはぜひタイヤシミュレーションをオンにしてプレイしてほしい。そのほうが圧倒的に楽しいし、ドライバーの気分を満喫できるからだ。ただしピットでのタイヤ交換作業やセッティングの変更でのミステイクには気を付けなくてはならない。この辺りについてはまた次回以降に取り上げてみよう。

時間、天候

 「アセットコルサ コンペティツィオーネ」はGTシリーズを舞台にしたレースゲームだ。GTシリーズは1時間で行われるスプリント・レースと、3時間から24時間の耐久レースから構成されている。スプリント・レースは午前にプラクティス・セッションが行われる。そして14時に予選、決勝は17時にスタートするため、各セッション内ではあまり気にならないが、レース1日を見れば気象や天候は変化する。もちろん耐久レースでは、時間と共に太陽の位置(日差し)、気温、路面温度などが刻一刻と変化していく。筆者は「キャリア・モード」で実時間4時間のスパ24時間耐久レースをプレイ済みだが、時間とともに太陽の位置が変化し、眩しくてクリッピング・ポイントが確認し辛いコーナーが変わっていくのに驚き、このゲームのシミュレーションとしての完成度に買って良かったと心底思ったものである。その時は、陽の光の眩しさに感動していたわけだが、日差しだけではない。日差しにより路面温度も変化していたのである。

 時間の経過、太陽の位置によって気温は変化する。気温だけではない。前述のようにひなたと日陰の場所も変わっていく。当然、ひなたは暖かく、日陰は涼しい。路面温度にも差があって当然である。「アセットコルサ コンペティツィオーネ」ではこの部分もシミュレートされているとの書き込みを見つけた。つまりコースの路面温度は一定ではなく、日差しのある部分では高く、日陰となる部分はそれほど路面温度は上昇しないということだ。十分に温かいトラックでは期待通りのグリップを得られるが、サーキットの一部は日陰になり、そこではタイヤを冷やしてしまう可能性があるということなのだ。そして24時間レースなどの耐久レースでは、太陽の位置によって、温かい路面と冷えた路面の場所が、時間と共に変化するということである。実に面白い…

路面状況

 路面状況といえば、すなわちラバーである。F1のレースウィークでは、金曜日のFP1からFP2、そして土曜日のFP3から予選へと、時間を日を経るごとにマシンはどんどん速くなりタイムは縮まっていく。これにはチームの戦略(燃料積載量など)様々な要因があるのだが、路面状況によるところもやはり大きい。マシンが走行するたびにタイヤのゴムがレコードラインに付着していき、それが路面のグリップを高めるというわけだ。各セッションの間にはF2やF3のレースに加えて、さまざまなイベント系レースも行われるため、3日といえども路面は驚くほど変化するのだ。この路面の変化もちゃんとシミュレートされている。ビジュアル面でもラバーが乗った部分が黒ずみ、スリップ痕も残るなど、練習走行と決勝レースでは全く異なるし、特に決勝1レース目と2レース目はこんなに変化するの?と突っ込みたくなるほどレコードラインが真っ黒になる。それにしたがってラップタイムも上がっていく。面白いのはレコードラインがますます速さを増していく一方で、レコードライン以外はタイヤカスやチリなどで逆に汚れていくということだ。だからレコードラインを外すとグリップ力が減衰するのもしっかりシミュレートされている。この状況はレコードラインにラバーが乗れば乗るほど、レコードライン外の汚れはよりグリップを奪うということでもある。

 

 「アセットコルサ コンペティツィオーネ」のことを調べていくにつれて、このゲームのシミュレータとして向かう方向性に賛同するばかりである。まだまだゲーム内で走り込みが足りず、今回取り上げたタイヤ・シミュレーションや天候、路面の変化がどのくらいドライビングに影響を与えるのかまでは十分に検証できていない。方向性には素晴らしいものがあるが、リアリティとゲーム性のバランスが上手く取れていないと、ただ難しいだけだったり、お飾り程度にしかならないが、このゲームではそんな心配は杞憂に終わるだろう。もう十分に楽しんでいるのだから、間違いはない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました