FANATEC CSW2.5は間違いなし!(2ヶ月半、詳細レビュー)

FANATEC

 以前、FANATECの購入ガイドを投稿した。カタログのスペックを中心にClubSport Wheel Base V2.5(CSW2.5)とCSL Elite Wheel Base V1.1を比較検討を進めたが、あらゆる面で上位機種のCSWが優勢なのは言うまでもない。記事の中では触れなかったが、筆者が最初に購入したのはCSL Eliteだった。一週間使用させていただいた後に、メーカーの方に直接連絡してCSWへ交換していただいた経緯があった。細かな事情は割愛させていただくが、両機種を使用させていただいた率直な感想は、両製品には、グレードと値段相応の違いがあったということだ。そのあたりは「FANATEC購入ガイド2 ホイールベースの選考」https://03driver.com/2020/06/13/fanatec-csw/の記事より確認いただきたい。

 さて、今回はFANATEC CSW2.5の詳細な紹介、そして2ヶ月半使用した現在の製品の状態と、使用レビューを筆者独自の視点で語っていきたい。

詳細レビュー① 「Wheel Baseの設定項目」

 8Nmを誇るフォースフィードは半端ではない。FANATECはゲームごとに推奨設定値を公開しているが、「100%」を推奨するものはない。筆者がYouTubeに細々と動画を公開して楽しんでいるACC「アセットコルサコンペティツォーネ」の推奨設定値は、「デバイス側設定=100%、ゲーム内設定=70%」だ。デバイス側設定とは、ステアリングホイール(筆者所有はClubSport Steering Wheel Formula V2)のLEDディスプレイと通じて行う設定で、フォースの強度に加えてハンドルの切れ角などを様々な項目を設定可能だ。

SEN (Sensitivity):ハンドルの切れ角
 CSW2.5では90°から900°の範囲で設定可能である。左右に45°〜450°の切れ角となる。通常ハンドルの切れ角の設定にはOS側のプロパティを開く必要があり、『F1 2020』と『ACC』のように切れ角の異なるゲームでの使い分けには一手間強いられていた。しかし、FANATECにしてからは手元の操作で変更できるため快適そのものだ。プリセットにしておけば、ダイヤルを回すだけで瞬時に切り替えることができる。

FF (Force Feedback):フォースフィードの強度
 0から100%の間で設定する。数値はフォースを発生させるモーターの強度を割合で示す。「0」ならフォースは発生しない。「50」ならモーターが発生させるパワーは8Nmの半分の4Nmが最大値となる。ゲーム内で設定するフォース強度(の割合)は、この最大値をもとにした設定となることに注意したい。つまり、ゲーム側とデバイス側の設定値をそれぞれ100%に設定すると最大パワーとなり、ゲーム側を50%、デバイスを同じく50%にすれば、理論上は8Nm✖️50%✖️50%=8Nm✖️25%となり2Nmの出力が得られるというわけだ。ちなみに2NmはLogicoolのG29の最大出力2.1Nm(非公式)と同じである。余談ではあるが改めてCSWのポテンシャルの高さがおわかりいただけるだろう。

SHO (Shock):ステアリング内バイブレータの強度
 筆者は購入して実際に走行するまで、ステアリングにバイブレータが内蔵されていることを知らなかった。フルブレーキングしてABSが作動するとブルブルっときた。モーターからはガタガタと強大なフォースが発生し、同時に手元のステアリングからブルブルと小さな振動がやってくる。これにはまいった。ここではバイブレータの強度を0から100で調整する。

ABS:ペダルユニットとの連動設定
 SHOの項で既に紹介したが、ブレーキペダルを思いっきり踏み込んでABSを作動させた際には、ステアリングのバイブが振動する。PS4のコントローラーなどで同じみのブルブルだ。ここで設定する数値はABSを作動させるブレーキの踏み込み強度を指す。つまり50%に設定すると、ブレーキを50%踏みこむとABSが作動したことになり、SHOで設定された強度にしたがって手元がブルブル震える。

DRI (Drift mode):ハンドルの回転抵抗
 他の項目とは異なり、設定値はすこし複雑だ。-05 … -01 → OFF → 001 … 005とOFFを挟んで5段階に調節可能である。この項目はハンドルを切る際の回しやすさ(抵抗)の設定だ。パワステの設定と言えばわかりやすいだろうか。マイナス側に設定するほどハンドルを回しにくくなり、振動を発するようになる。プラス側に設定すればよりハンドルを回しやすくなる。

FOR (force), SPR (spring), DPR (damper)
 これらはフォースフィードに含まれる成分である。FORはハンドルを特定の方向へ動く際の力、つまり走行中、ハンドルが右や左へと持っていかれる時にかかる力であり、もっとも体感できるフォースである。SPRはハンドルがセンターへと戻るときにかかるフォース。DPRはDRIなどで生じるハンドルの回転など様々な摩擦の際のフォースである。XboxOneでは、これらの詳細なフォースの設定は存在しないため、CSWをXboxモードで使用する際には表示されない。また100%を超えて設定すると、フォースの最大出力100%を超えて力を発生させようとするため、過度の負担や発熱の原因となるので十分なフォースが得られない時以外は使用しないように警告されている。

FEI (Force Effect Intensity):フォースの表現強度
 この数値は発生するフォースの繊細さを表す。0に近づくほどフォースはスムーズに発生し、数値が増えるほど鋭くダイレクトな出力となる。わかりやすく言えば、0に近づくほどマイルドになるので、騒音や机やクランプなどに伝わる二次的な振動をできるだけ低減することができる。戸建に住む独り身の筆者は、思いっきり100%、ガタガタ、ゴトゴト、思う存分フォースを発生させているが、マンションやご家族と生活されている際には周囲への迷惑を真剣に考えなくてはいけないレベルの騒音と振動を、FANATECは発生させる。

BRF (brake force);ブレーキフィールの設定
 この設定値を100にすると、ブレーキを最小限の力で踏み込んでも100%の効き目を得ることができる。0にするとその逆となる。この設定はPC側のプロパティーでも確認と設定を行うことができる。またブレーキペダルによってはこのオプションの設定ができない製品もあるので確認が必要だ。ちなみにCSLペダル(ロードセルを含む)では設定可能である。

詳細レビュー② 「フォースの味わい」

 フォースの最大出力は8Nm。上位機種DD2の20Nmと比べると見劣りするが、フォースの強度に関して心配は無用だ。FANATECの推奨値はどのゲームでも概ね70%あたりに設定されていることからも、強度が問題になることはない。むしろ問題になるのは表現力だ。筆者はここ3年の間に、T150、G29、T300、CSL Elite、そしてCSWとハンコンを買い増してきたが、CSWは強度と表現力ともに他を軽く凌駕する。絶対的なパワーはそのまま表現力に還元される。縁石に乗り上げた際のブルブルやタイヤがよじれる細かな振動、そしてウォールにヒットする際、思わず顔をしかめてしまうほどの衝撃に至るまで、実に豊かなフォースを発生させることができる。CSLも他とは一線を画すフォースを持つが、パワーの面では圧倒的であっても、表現力ではそれほどT300との違いを感じることはできなかった。これはフォースを発生されるモーターとステアリングの軸との連結方法が、T300とCSLはほぼ同じ機構であるのに対して、CSWは二つのプーリーとセンサーでより細かく制御しているからであろう。

 フォースの係り具合を文字で表現するのは難しい。どこまで伝わるのか自信がないが、走行中のいくつかの場面でどのようにフォースが発生するのかを紹介してみよう。

 フォース1: 「滑る」感覚とフォースの表現

  走行中のマシンの動きの一つに「滑る」がある。「滑る」を二分すると、コーナーリングの際に、速度を伴いながら外側に滑っていく動きと、急な減速でタイヤがロックして滑る動きとなる。前者を音にすると軽い「ザァー」っという感じ。後者が重たい「ジャァー」という感じだ。フォースの違いは前者が「抜ける」フォースに対して、後者は摩擦が振動として「加わる」フォースとなる。
 「抜ける」フォースの表現には、抜けるべきフォースの存在が前提になる。つまり、コーナリング時にはRと速度に応じてハンドルには一定の負荷がかかっている。ある程度、力を込めてハンドルを切っている。「ねじ込む」と表現されるやつだ。これはパッシブ(能動的)なフォースで、動き伴う振動ではない。ハンドルを重く感じさせる効果を生むフォースだ。コーナーでグリップを失い外側に膨らんでいくと、この「重み」が抜ける。ハンドルはフォースが抜けて一瞬軽くなる。それと同時にタイヤが横滑りを始めるため軽いバイブレーションが発生する。このままアクセルワークやステアリングの修正舵を入れなければ、マシンはコース外に弾き出される。大抵そこにはグラベルが待っていて、タイヤが砂利の上をズリズリと滑ることになる。この時はタイヤからのゴリゴリとした入力が振動としてフィードバックされる。
 次にロックした際に発生するフォースだ。マシンを急減速させると荷重が一気に前方にかかる。ドライバーの体は一定の衝撃とともに前方につんのめる。そして前輪は路面と激しく摩擦を起こしながら、マシンからスピードを奪っていく。前輪と路面との摩擦はダイレクトにハンドルを介してドライバーへと伝わる。リアは荷重が抜けて不安定になり、車のお尻はブルブルと左右に震える。そして完全に停止すると、今後は荷重がなくなるが、前方にかかっていた力が反動となり後方にいったん伝わり、減衰してマシンの中央に戻ってきて停止する。(場合によって、何度か力が前後に移動し、車は前後に揺れながら止まる。←ブロガーとして未熟が故に、なかなかうまく表現できない。悔しぃ)このときの一連の動きがフォースで持ってうまく表現されている。まずはブレーキング時に体に加わる「つんのめる衝撃」が “ガツン” っと加わる。そして前輪がロックし路面と「摩擦し合う振動」が “ガガぁガががー” っと小刻みに、そして大きなフォースとして発生する。車は “ブルブル” と減速する。ステアリングのバイブもそこに加わる。そしてスピードが急激に失われて止まる寸前には、”ゴルゴリゴルゴリ、ゴゴゴ、ギギギー”っと恐ろしい振動が机全体を揺らし、床や壁を振動が伝わり部屋中の小物をガタガタと振動させてようやく車は停止する。

フォース2:「衝突」の衝撃

 FANATECのCSWを使い始めてウォールへのヒットが本当に怖くなった。ウォールへのヒットだけはない。他車から追突された時の衝撃も相当のもので、もうすこしで怪我をしそうになったこともある。
 ウォールへのヒットにもいろいろある。アゼルバイジャンやモナコのようなストリートコースのウォールに「擦れる」程度のものから、ほぼ角度なく正面からウォールに突っ込んでいく「クラッシュ」まで状況は様々だ。当然、衝撃によって加わるフォースの強さは異なる。「擦れる」くらいのヒットなら、小刻みに振動する程度だが、「クラッシュ」となるとちょっとした恐怖を感じるほどの強烈なフォースが発生し、ハンドルを大きく左右に揺らす。ハンドルをしっかり持っていないと逆に危ない。うっかり手を離せば、ハンドルと本体が飛んでいきそうなくらいの勢いで暴れまくる。減速し切れずにコーナーを飛び出し、ウォールに角度のないままヒットする直前には、おもわず顔がこわばり体が硬直する。大袈裟なようだが、本当に怖い。自分の体に加わる力もさることながら、「ゴぉゴっン」という衝撃は、ゲーム内の効果音とともに、机を揺らし、机の脚が床をバタバタと打ち付けるなど、リアルな「大きな音」を発生させる。CSW本体は静かなものである。ファンがシューーンと回転する他は、静かなものだ。

 フォースまとめ

 FANATECが発生させるフォースをまとめて、このだらだらと長くなったブログを閉じたい。
 一つ目は、「力」。これはパッシブなフォースで「重み」を生み出している。ハンドルを曲げる時、そして曲げたままにする時にものすごい力を必要とする。
 二つ目は、「速さ」。アクティブなフォースで「振動」を生み出す。恐ろしい勢いで回転の方向が左右に切り替わる。
 三つ目は、「インパクト」。ガツンっという「衝撃」を生み出す。「痛い」と表現しても決して大袈裟ではない最大フォースを一瞬で発生させる。

 ぜひ、CSWを自分のものとして、楽しんで欲しい。

コメント

  1. PAPA より:

    G29では満足出来なくなってきたのでCSWに買い替えを検討中です!ありがとうございました。とても参考になりました!

    • 03driverN 03driverN より:

      ブログをご覧くださり、ありがとうございます。
      CSWは本当の価格と性能のバランスがよい製品だと思います。

      ホイールベースに加えて、ステアリングも悩ましい選択になりますが、色々と購入を検討するのは至福の時ですよね。

      今後ともよろしくご愛読ください。

  2. mame より:

    初めまして。ブログ大変参考になりました。
    G29でハンコンデビューし、ガリガリ音からT300を購入、キャリブレーションの「ウィーン、ドッスン、ウィーン、ドッスン」が現在悩みの種になってます。
    ペダルだけfanatec CSLペダルを使用しています。
    この際全てfanatecに変更しようかと画策しております!
    いっそDD2にしてしまおうかとも思いましたがこちらを拝見し、cswで十分ではないかと思い始めています。
    DD2だと5年保証になりますがcswが3台買える価格なのでcswを壊れるまで使い、今後出るであろう新型に期待してもいいのかと思うようになってきました。
    もしDD系のハンコンを経験されたのであればこちらで紹介して頂けるとうれしいです。
    駄文失礼しました。

    • 03driverN 03driverN より:

      コメントありがとうございます。

      G29からT300でかなり満足できるのですが、FANATECはもう一段、上をいきます。

      本気で楽しむなら、考えても良いと思いますよ。

      DDは未体験ですが、設置方法が決まらないことには手を出せないかなと思いコックピット自作しました。

      よかったら記事をご覧ください。

      いまのところCSWに一切の不満はありませんので、すぐにDDとはいかないですね。その分の予算でペダルやステアリングを買いましていく方が幸せな気もしております。

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