テレメトリー環境を一緒に構築しよう(2) ニュルGPコースを走ってみた(アセットコルサコンペティツィオーネ)

PCガジェット

 テレメトリー環境を構築するシリーズ第2弾。

 構築の手順を説明する前に、テレメトリーとは何か、どのように使用することができるのかを皆さんと一緒に確認していきたいと思う。テレメトリーにはさまざまなデータを表示できるため、一度にすべてを確認するのは難しいので、何度かに分けて紹介していきたい。

 今回はドイツ、ニュルブルクリンクGPコースを走行したデータを題材に一緒に勉強していこう。

 ニュルGPコースでは、今年、「アイフェルGP」として7年ぶりにF1レースが開催された。余談ではあるが、このレースの直前にホンダは2021年かぎりでF1から撤退することを発表する。高校生の時に初めてF1を観た。セナとプロスト時代のマクラーレン・ホンダが筆者のF1の最初の思い出である。そのあと、何度か撤退と参戦を繰り返したホンダだが、いよいよ今回が最後になるようである。残念でならない。また先日7度目のワールドチャンピオンを決めたハミルトンは、このレースでシューマッハーにならぶF1最多勝利をあげている。

 本題に入ろう。

 今回、筆者はメルセデスGT3に乗ってニュルを走ってみた。カラーリングはハミルトンをレスペクトして、メルセデスF1チーム・カラーにしている。走行の様子は筆者が細々と運営しているYouTubeチャンネルより視聴いただきたい。そしてぜひ登録いただき、筆者が一人前のユーチューバになるお手伝いをしていただけると嬉しい。よろしくお願いします。動画はこちらより視聴可能です

 このコースはストレートと大小様々なコーナーで構成されたサーキットだ。アップダウンが激しくブラインドになるコーナーも多い。また下りながら、上りながらのコーナリングが特徴で、トラクションのかけ方や荷重移動に注意が必要なサーキットだ。偉そうに語っているがそれほど速く走れるわけではないので、あらかじめ断っておく、基、謝っておく。

テレメトリー(1)「Section Time」

 まずはこのページから紹介しよう。今回筆者はサーキットを10周した。その時のタイムを各コーナー、そしてコーナー間のストレートごとに計測し、表示するのが「Section Time」である。

 画像のように細かくタイムが計測されており、周回ごとに表形式で表示される。細かすぎて分析には時間がかかるが、各ラップを見比べていくと、安定してクリアできているコーナーと迷いながらステアリングを切っているコーナーを知ることができそうだ。またコーナー間のタイムは「加速」がうまくできたかどうかを知る手段にもなる。またベストラップと比較することで、もっと速く走ることができたコーナーやストレートを知ることができ、練習のポイントを絞ることもできそうだ。最下段にはラップタイムが表示される。ここに表示されるタイムができるだけ均一になるように走りたいものだ。今回の走行では5周目あたりからアタックラップに入っていったのがわかるだろう。タイムが上下を繰り返すのはタイムを出しに行った後はすこし緩めないと緊張が続かないからである。

テレメトリー(2)「Track Report」

  こちらはサーキット図にそれぞれの区間の最高速度や仕様ギアなどを表示させたものだ。表示される細目をカスタマイズすることもできる。ここでは仕様ギアを色分けしてマップ上に表示させている。第1コーナーでは1速(水色)までギアを落としていることが一目瞭然だ。逆に6速(オレンジ色)まで上げられたのは最終セクションのごく一部である。メインストレートでは5速(黄色)どまりである。最終コーナーの立ち上がりが悪かったのか、下りながらの深い1コーナーを意識しすぎるあまり、ビビってしまったのか映像と見比べながら自分の走りを解析できる。また赤と青の三角で示されているのが、各区間での最高速と最低速だ。ここでは別ラップと比較していないが、もちろん重ねて表示させて比べることが可能だ。安定したラップを刻めているか、また、もっとタイムを縮めることができる区間はどこかなど、その時の自分の目標や分析内容に合わせて見方も変わってくるだろう。

テレメトリー(3)「Susp trv」

たぶん「サスペンション・トラベル」の略だと思う。走行中に前後左右のタイヤを支えるサスペンションが、どのくらい伸び縮みしたのかが数値化されている。基本的にサスペンションが働くのはコーナーリング時なので、旋回時に大きな山ができている。

上段の緑のグラフは「スピード」を表している。谷になっている部分が減速しているところなので、コーナーリング時だと考えていただきたい。山の頂点はブレーキングをしたポイントだ。上っている部分はコーナーから脱出し加速フェーズである。一方、下段がサスペンションの変化量だ。暖色は後輪、寒色で示されているのが前輪の動き。加速時には荷重が後輪にかかるので、後ろのサスが前よりも沈み込むことになる。したがって加速局面では暖色(後輪)のほうが高い山、つまり変化量が大きいことが見て取れる。ブレーキング時には荷重が前に移動するため、前輪のサスペンションが沈み込むことになる。そのため、山の頂点あたりではおおむね暖色と寒色が交わるか、交差しているのがお分かりいただけるだろう。暖色、寒色のなかでも、左右でさらに色分けをしている。特徴的なのが、グラフの最初の部分だ。ここはメインストレートである。加速局面で、ステアリングはまっすぐなので左右にほぼ均等に力がかかる。もちろん荷重は後ろ寄りだ。赤(右)とオレンジ(左)、水色(右)と青(左)はほとんど重なっていて、荷重が後ろなので暖色のほうが変化量が大きい。逆にグラフ中央部分ターン7では後輪の左右の沈み込んでいる量は大きく異なり、また前輪の左右も変化量が異なる。共通しているのは前後にかかわらず左(オレンジと青)が沈み込み、右(水色と赤)がそれほど変改していない点だ。コーナーでは左右それぞれにことなる力が加わることは説明するまでもないだろう。ターン7は右の深いコーナーである。遠心力が外側(左)にかかるので車は膨らまないようにサスを使って粘ろうとする。左は大きく沈み込む。逆に内側のタイヤは浮きそうになるのを同様に我慢するためできるだけサスを伸ばしてタイヤの設置を確保するのである。その様子が数値から読み取れる。

 グラフは基本的に山と谷を描くが、一部平坦な部分がある。これは一概には言えないが状況によってはサスの限界と考えることができる。縮みたいのこれ以上縮めないという具合だ。サスが仕事をしない状況と判断できれば、今後はセッティングの出番である。サスの柔らかさや車高を調整して、サスがしっかりと機能する、つまりタイヤが確実に設置するようにマシンを仕上げていくことになる。

 さぁ、それでは次回はドライバーの入力(操作)について詳しく見ていこう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました