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MOZA Sim Racing “R9” レビュー(その壱)

MOZA R9を2か月使用したレビューをお届けしたい。

目次

機能は最新のトレンドで。

 ハンドルメーカーの中でも後発のMOZAは、機能面で最新のトレンドを惜しみなく投入している。他のメーカーでは上位機種でないと享受できない機能や仕様を比較的安価に手に入れることが最大の魅力である。

接合方式と接点の仕様

 GOODポイント
 フラッグシップモデルから最も廉価なR5まで、クリックリリースは全メタル製で、10個のボールでガッチリとステアリングと本体とをジョイントする。電気信号を送受信する接点部分も、FANATECのようなハンドル側にある突起した細い金属端子を本体側の穴へとはめこむ方式ではなく、接点同士を単に接触させるだけのため、接点部分に負荷がかかることによる摩耗や破損の心配はない。
 
 FANATECも最近になってQR2へとバージョンアップし剛性はアップしたようだが、接続方式は従来通りのままであり、摩耗や破損への不安は取り除かれてはいない。QR2がリリースされたばかりなので、しばらくは従来の仕様が継続され接点の形状が大きく変わることはないだろう。

 BADポイント
 剛性感とのトレードオフなのか、着脱の際にはステアリング部分にかなり力を込めて本体へと押し込まなけらばならず、ガッチンっという大きな金属音には思わずドキッとする。固すぎて逆に不安になる。BADポイントではないかもしれないがとにかく固い。着脱の時に何かを破損していないかと心配になる。

ステアリングの仕様

 GOODポイント
 私が購入したステアリングはフォーミュラ型の「KS Steering Wheel」だった。単体で購入するとお値段は42,900円。パドルシフトには磁気方式が標準で装備されており、ロータリースイッチの質感や操作感、剛性感に不満はない。また各ボタンにはLEDが仕込まれており10色に変更可能である。これらは高級機向けの装備であり、FANATECの同型ステアリングにも実装されていない。オプションパーツでパドルを磁気方式にアップグレードすることは可能だが、LEDボタンに変えることはできない。別売りのステッカーで雰囲気を出す程度だ。

 BADポイント
 機能と仕様面ではFANATECの上をいっているが、全体的な質感ではやや劣る。FANATECはカーボン製だが、MOZAのはカーボンプリント。そして何よりも見た目に反したその軽さ。クイックなレスポンスのための軽量化らしいが、むしろ質感を落としているとしか…。

 価格はFANATECの48,600円に対して6千円ほど安いわけだが総合的にみると微妙である。逆に言えばFANATECのロータリースイッチにもう少し抵抗感のあるクリック感があれば間違いなくFANATEC一択と言いたいところだ。

ブレーキはセンサーとロードセルのハイブリッド

 GOODポイント
 ペダルセットも価格以上の仕様となっている。特にブレーキペダルには感圧式ロードセルと非接触型センサーの両方が使用されており、踏み始めの微妙な踏力は感圧式では検知が難しいのでセンサーを用いて補っている。他社にはないハイブリッド方式で全域をカバーするこの試みは商品の価値を高めているといえよう。

 BADポイント
 しかし肝心のフィーリングはというと、ロードセルにしてはペダルの可動範囲が大きく、圧で踏むというよりもペダルの移動量でブレーキを操作している感が否めない。つまり、ロードセルでありながらポテンショメータのブレーキを操作している感覚なのである。ロードセルにポテンショメータを補助的に組み込んがハイブリッド方式とうたわれているが、実際にはポテンショメータにロードセルを追加したような感じで、ロードセルのフィーリングではないので少し残念だ。さらにアクセルは変哲もないよくある仕様だが、私の設置が悪かったのか2週間ほど使用するとギシギシという軋み音がするようになった。FANATECのペダルは3年間酷使したが一度たちとも異音がしたことはなかった。

細かなカスタマイズはグッド、でも不具合の原因か?

 GOODポイント
 フォースやペダルの調整などが細かくできるユーティリティ・ソフトもこの価格帯で実装されている製品は他にはない。とくにアクセルとブレーキの入力を調整できるのは最大のメリットだ。入力カーブを好きなようにカスタマイズできるので踏みはじめを緩やかに、そして最大に踏み込んでもロックしない程度に最大値を制限しておくことができる。この機能は高級ペダルにしか実装されておらず、FANATECの製品には存在しない。私がMOZAの購入を決めたのは実はこのペダルを殉難に設定できるからだったりする。

 BADポイント
 しかし、私の環境では、どうやらこのユーティリティ・ソフトが悪さをしていたせいで、ForzaMotorSportsのフォースがうまく機能せず、またリプレイにも不具合が出てしまっていた。完全に検証が終わってはいないが、FANATECのDDproに乗り換えると一切の不具合がなくなった。ドライブ中の操作だけではなく、リプレイにも影響を与えていたことからユーティリティ・ソフトが悪さをしていると思っている。細かく設定が可能なのはよいが、フォースの出方などをうまくコントロールできていないように思えた。様々なソフトで試してみたが、FORZAほどの目に見える不具合はなかったが、それでもフォースの出方には違和感があり満足できるものではなかった。

(その弐へつづく)

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この記事を書いた人

20年?ぶりにフライトシム沼にハマっているおっさんです。

このブログと同名のポッドキャスト📻も配信しています。

つい最近までレースシムにはまっていたのですが、MSFS2020と出会ってしまい(出会わないようにしていたのに)再び空の世界へ戻ってまいりました。
「おっさんさん」でも「おっさん」と呼び捨てていただいても結構です。
😅

よろしくお願いします。

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